保育園や幼稚園の先生方、子どもが運動する場所に悩むことってありますよね。
例えば、夏であれば気温が高くて外遊びはあぶないなーと感じたり、雨や雪が降ればそもそも外出することが難しくなります。
そんな時でも、子どもの運動不足解消のためにもなんとか身体を動かす機会がほしい!
今回の記事ではそんな悩みを解決する、幼児を対象に室内で行える運動遊びを年齢別にご紹介します。
しかも、ボールやなわといった手具を使用しないので、すぐにでも始められるものばかりです!
この記事を読めば、外遊びが困難な日でも室内で手軽に運動量を確保できる遊びを知ることができますよ!
他にはない私独自の運動遊びもご紹介しますので、ぜひ参考にしていただき、室内でも楽しい運動遊びを行いましょう!
【運動遊び】幼児を対象とした室内遊びを年齢別にご紹介!
私が体育講師として実際に指導経験が最も多かった、年少・年中・年長クラスに分けてご紹介します。
子どもは年齢によって特徴があるので、それに合わせた運動遊びを行いましょう。
年少クラス(3~4歳児)
年少クラスの子どもたちは自我が芽生え、なんでも一人でやりたがろうとする時期です。
なので、他のお友達とペアで行うような遊びではなく、まずは集団で行う遊びから協調性を養うことが重要です。
「みんな一緒」ではありますが「やることは個人」を意識した運動遊びをご紹介します。
動物模倣
動物に変身して室内を自由に歩き回ります。
動物模倣は、からだを支えたり跳んだりして、運動の基盤をつくる効果があります。
<ライオン歩き>
膝をつかず手と足の四足歩行で歩きます。
他の子とぶつからないように目線は前を見て歩きましょう。
<ウサギジャンプ>
手で耳を頭の上でつくります。
両足をそろえてウサギのようにぴょんぴょんと跳びます。
<カエルとび>
床に手をついて足を開き、カエルのポーズになります。
跳びながら室内を自由に移動しましょう。
お山オニ
オニごっこのような遊びですが、先生が追いかける役で子どもたちは逃げるだけの運動遊びです。
オニごっこ遊びの練習にもなりますし、足の筋力をつかう運動なので見た目以上に運動量を確保できます。
先生も子どもも体操座りになり、お山に見立てます。
子どもたちは小さいお山、先生は大きいお山です。
・最初は練習でお山状態のまま室内を自由に歩いてみましょう。 ・歩き方は足の力でおしりをすべらすようにして進みます。できるだけ手は膝にかけておきますが、年少さんなので多少は多めに見てあげてください。 ・歩くのに慣れたら、大きいお山は子どもたちの小さいお山を追いかけます。 ・大きいお山にぶつからないように小さいお山たちは逃げましょう。
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アリと鳥
アリと鳥は大人の話を聞いて状況判断力を養い、ジャンプとしゃがむ運動による体力向上がねらいです。
先生と一緒にその場歩き(足踏み)でお散歩します。
お散歩の途中で、大人が「アリだ!」「鳥だ!」の掛け声で合図をします
・「アリだ!」の合図ではアリを踏まないようにジャンプをします。 ・「鳥だ!」の合図では飛んでくる鳥にぶつからないようにしゃがみましょう。 ・慣れてきたらその場歩きから室内を自由にお散歩、もしくは先生の後についていきながら行ってみましょう。 |
年中クラス(4~5歳児)
年中クラスの子どもたちは少しずつ周りとの関係性を理解し、協調性が芽生えてきます。
お友達と協力したり、園の先生やお父さんお母さんのお話を聞くことが上手になってくる時期です。
年中クラスの特徴を活かし、協調性を意識しつつ、簡単なルールで行える運動遊びを取り入れましょう。
雨と風
雨と風では走ったり歩いたりして運動量を確保しつつ、先生の合図で判断力を、そして他の子と協力する精神を養います。
室内の真ん中にマット2枚をくっつけて置き、お家に見立てます。
・マットの周りを同じ方向に走る、もしくは歩きます。(逆方向に走る子がいると他の子と衝突するおそれがあるので必ず同じ方向で行いましょう) ・先生は走っている途中に「雨だ!」「風だ!」の掛け声で合図をします。 ・「雨だ!」の合図ではぬれないようにマットのお家にみんなで入ります。 ・「風だ!」の合図ではとばされないように他の子複数人でくっつきましょう。 ・慣れてきたら「雨と風だ!」の両方です。お家に入りつつ他の子とくっつきましょう。 |
ボウシ返し競争
ボウシ返し競争はチームで協力し、競い合いの精神を養います。
ボウシは紅白帽など表裏色ちがいのものを使用します。(ボウシ以外のものでも代用できますが、ここでは長くなってしまうので割愛させていただきます・・・)
まずは2チームに分かれます。
室内の端と端に、各チームのスタート位置をマットなどでつくりましょう。
・各チームの色を決めます。紅白帽であれば赤チームと白チームでかまいません。 ・ボウシをスタート地点から室内の真ん中に投げてしまいましょう! ・「よーいドン!」の合図でハイハイ(赤ちゃん歩き)で一斉にボウシまで歩きます。 ・赤チームは白→赤に、白チームは赤→白にするといった要領で、ボウシをひっくり返して自分のチームの色にします。 ・終了の合図で、赤と白になっているボウシを数え、多かった方の色チームが勝ち! |
注意点として、普通に走って行わないことです。年中クラスの子では他の子と衝突のおそれがあります。
エネルギーしっぽとり
エネルギーしっぽとりではお友達との助け合いをする精神を養います。
また、オニごっこの導入としても効果的です。
まず子どもたちは、ズボンのおしり側にボウシや結んだなわとびを入れて、しっぽをつくります。
しっぽは大事なエネルギーなので、なくなると動けなくなります。
ちなみに先生がオニ役です。
・先生も子どもたちもハイハイ(赤ちゃん)の姿勢で室内を歩きます。 ・先生は子どものしっぽを取る、子どもたちは取られないように逃げましょう。 ・しっぽを取られた子はエネルギーがなくなって寝たまま動けなくなります。他のお友達はしっぽをつけてあげて動けなくなった子を助けてあげてください。 ・しっぽをつけてもらえた子はまた動けるようになります。 ・先生は子どもたちがお友達を助けてあげられるように、取ったしっぽは動けなくなった子の近くに置いておきましょう。 |
年長クラス(5~6歳児)
年長クラスの子どもたちは、年中クラスからさらに複雑なルールを理解して遊ぶことができます。
運動能力もかなり発達し、簡単すぎる運動遊びでは少し物足りなく感じるかもしれません。
幼児期の集大成として、様々な運動遊びにチャレンジさせてあげましょう!
木とリス
木とリスでは、複雑なルールの理解、お友達同士の交流と素早い判断能力を養います。
まずはお友達同士で3人組をつくります。
・2人は両手をつないで木になり、1人はリスで、両手をつないでつくった木の中に入ります。 ・1~3人程度、オオカミ役になります。(教室の人数規模にあわせましょう) ・「オオカミがでた!」の合図ではリスだけが他の木に移動します。木は動きません。 ・「嵐がきた!」の合図では3人全員がバラバラに動き、新しい3人組をつくりましょう。この時、木とリスの役は子どもたちに任せてかまいません。 |
ボウシ投げ競争
室内でドッジボールの練習をしたい場合にも効果的です。
投げる動作、競い合いの精神を養います。
・2チームに分かれ、室内の真ん中にマットやなわとびなどで線をつくります。 ・真ん中からドッジボールのように左右の陣地に各チーム分かれましょう。 ・「よーいドン!」で自分たちのボウシを真ん中の線から出ないように相手陣地に投げ込みます。 ・相手陣地から投げられたボウシも拾ってたくさん投げ返しましょう。 ・終了時に自分たちの陣地にボウシが少ないチームの勝ちです。 |
ボウシは新聞紙やサッカーのビブスなどで代用できます。
実際私もこのような物で代用したこともあります。
ボウシかぶり競争
帰りの支度が素早くできるように、楽しく教育したい方にオススメ!
・2チームに分かれ、室内の端と端の壁際、もしくはマットを敷くなどでスタート位置を決めます。 ・子どもたちはみんな自分たちのボウシを室内の真ん中に集めます。 ・「よーいドン!」でスタート地点から自分のボウシをさがして履き、またスタート地点にもどります。 ・全員かぶり終えて戻るのが、どっちのチームが早いかを競争します。 |
ボウシかぶり競争は全員が終えて勝敗が決まるので、個人の責任感や「早くやろう!」という意識が芽生える、心の面でも効果的な運動遊びです。
室内で行う幼児を対象とした運動遊びまとめ!
室内で行う遊びは外に比べるとやる事が限られてしまい、悩まれる方も多いですよね。
しかし、工夫次第では遊びの幅は広げることができます。
本記事では年少クラス~年長クラスまで各3つの運動遊びをご紹介しましたが、運動遊びは無限だと思います。
工夫をして遊びを考えるのはとても大変ですが、そういった意味でも本記事が参考になれば幸いです。
子どもの年齢に合った、室内でも楽しい運動遊びが提供できることを願っています。
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